入退室管理基礎
入退室管理の夜間・休日制御|時間帯制限と不在時対策の設計ポイント
目次
入退室管理で夜間や休日の制御をどう組むかは、総務や施設管理を担当する方が後回しにしがちなテーマです。平日の日中は人の目がありますが、最後の退勤者が帰ったあとのオフィスや、誰もいない連休中の施設は「鍵が閉まっているはず」という前提だけで守られていることも少なくありません。
解決の方向性ははっきりしています。曜日・時間帯・休日ごとに「誰が通れるか」をあらかじめ決め、例外は記録と承認で扱う形にすることです。
ここでは次の3点を順に整理します。
- 夜間・休日に起きやすい管理上の抜け
- 時間帯制限と権限グループの設計
- 不在時の確認・例外対応と、Lavish での構成例

夜間・休日の入退室管理で起きやすい「見えない抜け」
夜間・休日の入退室管理は、カードの有無だけでなく「その時間に通ってよい人か」で制御することが基本です。曜日・休日スケジュールで時間帯制限をかけ、例外的な入室は履歴と承認で残す。この2つがそろえば、管理者が不在でも状態を説明できる運用になります。
では、実際にはどこで抜けが生まれるのでしょうか。
現場でよくある例として、退職者や契約終了した清掃業者のカードが有効なまま残り、深夜でも扉が開く状態になっているケースがあります。日中であれば顔見知りが気づくかもしれません。ところが誰もいない時間帯には、その入室を止める人も見る人もいないわけです。
もう一つ多いのが、施錠の確認を「最後の人の記憶」に頼っている状態です。金曜の夜に急いで帰った社員が通用口を閉め忘れ、月曜の朝まで開きっぱなしだった、という話は施設管理の世界では決して珍しくありません。
休日出勤の扱いもあいまいになりがちでしょう。申請はメールで受けているのに、実際に何時に誰が入ったかは確認できない。こうした状況に心当たりはありませんか?
意外に思われるかもしれませんが、これらは高価な設備を足すより、「時間」と「人」の組み合わせを設計し直すだけで大きく改善します。
Q: 夜間・休日の入退室管理で最初に見直すべき点は?
A: 有効なカードの棚卸しと、曜日・時間帯ごとに通れる人の範囲の定義です。権限の放置と時間帯制限の欠如が抜けの主な原因になります。
時間帯制限と入退室スケジュール設定の考え方
設計の出発点は、利用者をグループに分けることです。
一般社員、管理職、清掃・設備の委託業者、警備担当といった区分を作り、それぞれに「平日の何時から何時まで」「土日祝はどうするか」を割り当てます。一人ずつ設定するより、グループに時間帯を持たせるほうが、異動や入れ替わりがあっても崩れにくくなります。
たとえば清掃業者が毎朝7時から9時に入るオフィスなら、業者グループは平日の早朝だけ通れる設定にしておけばよいわけです。深夜にそのカードが使われても扉は開かず、試みた記録だけが残る形になります。
見落としやすいのが休日の定義です。曜日のスケジュールだけを組んでいると、祝日や年末年始、夏季休業が平日扱いになり、誰もいない日に通常どおり通れてしまいます。休日カレンダーを別に持ち、年に一度は翌年分を登録する作業を総務の年間業務に組み込んでおくと安心でしょう。
営業時間中の扱いも決めておきたいところです。来客の多い受付扉などは、決めた曜日・時間帯だけ扉を開けておき、それ以外は認証が必要な状態に戻す運用がよく使われます。電気錠のタイマー的な使い方ですね。ただし開放時間を広く取りすぎると、時間帯制限の意味が薄れてしまいます。
正直なところ、最初から完璧な表を作る必要はありません。まずは「夜間と休日は誰が通れるべきか」を3〜4グループで書き出し、運用しながら履歴を見て調整するほうが現実的です。皆さんの施設では、夜10時に通用口を通れる人を即答できるでしょうか?
Q: 入退室管理の時間帯制限はどう設定するのが一般的?
A: 利用者をグループに分け、曜日別の時間帯と休日カレンダーを割り当てる方法が一般的です。個人単位より異動時の修正が少なく済みます。
不在時セキュリティを支える履歴・通知・例外対応
時間帯制限をかけたら、次は「管理者がいないときにどう把握するか」です。
基本になるのは入退室履歴でしょう。誰が、どの扉を、何時に通ったか。これが残っていれば、休日出勤の申請内容と実際の入室を突き合わせることができますし、トラブル時の説明材料にもなります。
ただ、履歴は見に行かなければ気づけません。そこで役立つのが通知です。特定の扉や出来事についてメールなどで知らせる仕組みがあれば、休日に誰かが入ったことを月曜を待たずに把握できます。こじ開けや閉め忘れのような異常については、現地で警報を鳴らす構成を組み合わせる施設もあります。
例外対応も事前に決めておいてください。よくあるご相談として、「日曜にサーバー室の機器が止まり、担当者が駆けつけたがカードの時間帯外で入れなかった」というケースがあります。こういうときに管理者が遠隔で解錠できるか、あるいは臨時に権限を付与できるかで、現場の負担は大きく変わるはずです。
もう一点、回線障害時の動作も確認しておきたい項目です。クラウド型の仕組みでも、現地の制御器に登録済みの情報で入退室を続けられるかどうかは製品によって異なります。夜間に回線が切れて誰も入れない、という事態は避けたいですよね。
非常時の避難との両立も忘れずに。夜間に施錠を強めるほど、内側からの退出経路をどう確保するかが問われます。避難経路の扱いは建物の用途や規模で求められることが変わるため、設計段階で施工業者や所轄の消防署など公式の窓口に確認するのが確実です。
Q: 管理者不在の休日に緊急で入室が必要になったら?
A: クラウド管理の構成なら遠隔解錠で対応でき、操作は入退室履歴に残ります。ローカル管理のみの構成では、事前に緊急用の権限を決めておく必要があります。
Lavish で組む夜間・休日の入退室制御
ここからは、弊社の電気錠ブランド Lavish で前述の運用を組む場合の構成をご紹介します。
時間帯制限の中心になるのが、ネットワーク制御器 COA-23F/COA-45F です。曜日・休日スケジュールで通れる時間帯を制限でき、登録できる人数は20,000人。複数の扉をまとめて管理する用途を想定した制御器で、決めた時間帯だけ扉を開けておく運用にも対応します。インターロックやアンチパスバックなど、制御器でできることはネットワーク対応制御器のページにまとめています。
管理方法は2通りから選べます。社内の Windows パソコンで管理する場合は、専用ソフト Lavish Smart Access を無料でお使いいただけます。
管理者が不在がちな施設なら、COA-23F/COA-45F にクラウドゲートウェイ GW-2(有線LAN)を追加し、弊社のクラウドサービス WatchKey につなぐ構成が向いているでしょう。前のセクションで触れた運用の多くを、ここで実現できます。
- 遠隔解錠・施錠、入退室履歴の確認(期間・扉・利用者で絞り込み)
- 利用者やカードの登録・削除(カードは CSV で一括登録)
- 扉・出来事ごとのメール・Webhook 通知
- 曜日・休日スケジュールやアクセスグループの COA への反映(REST API からも操作可能)
WatchKey の利用料は月額0円で、API の利用料も無料です(機器代・施工費・回線費は別途かかります)。API トークンの権限は操作ごと・扉ごとに絞れるため、社内システムとつなぐ際も必要な範囲だけを許可できます。回線が切れた場合でも、COA に登録済みのカード・QRコードで入退室は続けられます。GW-2 についてはクラウドゲートウェイのページをご覧ください。

製品はすべて2年保証で、故障時は弊社で修理・交換を行います。電気錠の取り付けや機器同士の配線には専門の知識が必要なため、弊社への直接のご相談(現地調査・お見積りから施工まで)と、お付き合いのある施工店経由のどちらでも承っています。
Q: Lavish で夜間・休日の時間帯制限をかけるには?
A: ネットワーク制御器 COA-23F/COA-45F の曜日・休日スケジュールで設定します。GW-2 を追加すると WatchKey から遠隔解錠や履歴確認も可能です。
夜間や休日に「今、扉がどうなっているか」を説明できない状態が続いているなら、まずは扉の数と利用者グループを書き出すところから始めてみてください。オフィスでの使い方はオフィス向けの導入例、時間を決めて扉を開けておく運用は利用方法の解説で確認できます。構成のご相談はこちらからどうぞ。

